
初めて見つかった本当に無相関な収益源の話
これまでFXや金(ゴールド)を中心に検証を続けてきましたが、今回、株価指数という新しいアセットクラス(投資対象の分類)に踏み込んでみました。
これまでFXや金(ゴールド)を中心に検証を続けてきましたが、今回、株価指数という新しいアセットクラス(投資対象の分類)に踏み込んでみました。Yahoo Financeから1996年から2026年までの主要6指数(US500、US100、US30、DE40、JP225、UK100)の日足データを取得し、FXとは異なる動きをするのかを確かめるのが目的です。 今回の検証では、リスク0.005(資金の0.5%)の固定リスク管理を前提としています。
指数ロングトレンドの圧倒的な品質
まず驚いたのは、株価指数のトレンドフォロー戦略の安定感です。FXでは買い持ち(ロング)を続けると、暴落時に最大でマイナス50〜83%もの大きなDD(ドローダウン=資産の山からの下落率)を食らうことがありますが、今回構築した戦略では、これをマイナス3〜8%まで圧縮できました。
| 指数グループ | 総利益率 | DD | PF | Sharpe | r/DD |
|---|---|---|---|---|---|
| US3指数 | +54% | -7.0% | 4.17 | 0.76 | 7.6 |
| PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)が3.5〜4.2という数値は、FX(約1.3)や金(約1.4)の検証結果を圧倒しています。パラメータを多少いじってもPFが2〜4の範囲に収まり、非常に頑健(環境変化に強い)なことが分かりました。一方で、短期的なアノマリー(「火曜日は上がりやすい」といったTurnaround Tuesday戦略)を試したところ、コストを引くと利益がほぼゼロになり、指数において短期売買の優位性(エッジ)は見当たりませんでした。 |
無相関によるポートフォリオの進化
検証のハイライトは、FX・金・株価指数の相関関係です。指数トレンドとFXの相関は0.16、金とはマイナス0.03でした。これはほぼ「無相関」と言っていい関係性です。 この無相関な3つを合算して運用(2010-2026年)した結果がこちらです。
- 合算パフォーマンス:総利益+85% / DD -8.7% / PF 2.62 / Sharpe 0.91 / r/DD 9.9 単体で最も良かった戦略のr/DD(リスク調整後の収益性)が7.6だったのに対し、合算することで9.9まで向上しました。単体で運用したときのDDを単純に足し合わせるとマイナス20%に達するところが、実際にはマイナス8.7%まで圧縮されています。これは「異なる値動きをするものを組み合わせる」という分散投資の効果が、理論通りに機能している証拠です。
今後の道筋
今回の発見は、長年探していた「真の無相関優位性」そのものです。FXや金という一つの枠組みの中ではどうしても月利0.5%程度の壁にぶつかっていましたが、別のアセットクラスを組み合わせることで、DDを抑えつつ収益を積み上げる現実的なルートが見えてきました。 実運用に移すためには、以下のステップが不可欠です。
- 指数の1分足データを用いた日中リスクの再検証(株価指数特有の窓開けや急変動が、プロップファーム等の日次損失制限に抵触しないかの確認)
- 指数パラメータの前進検証(過去データ以外でも通用するか)
- 利用ブローカーにおけるCFDスペックとコストの再確認
- 既存のシステムへの指数スリーブ(戦略の部品)統合と、総合的なMC(モンテカルロ合格率=再標本化による合格確率)の再評価 まずは、指数データの詳細な日中リスク測定から進めていきます。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。
関連コード(再現用)
この検証は以下のスクリプトで再現できます(リポジトリ参照)。
scripts/research/study_index_trend.pyscripts/tools/fetch_index_data.pystrategies/turnaround_tuesday.py