
指数を世界に分散しても現状が天井だった
現在のシステム「v1.2.0」は、米国3指数(US500、US100、US30)に絞って運用しています。これらの指数は相互の相関が0.76と高く、一見すると「地域を分散させてリスクを下げたほうがいいのでは?」と思える構成です。
現在のシステム「v1.2.0」は、米国3指数(US500、US100、US30)に絞って運用しています。これらの指数は相互の相関が0.76と高く、一見すると「地域を分散させてリスクを下げたほうがいいのでは?」と思える構成です。そこで今回は、ドイツ、日本、イギリスの指数を加えた「世界6指数」へと拡張し、予算を再配分することで月利を向上させられるか検証しました。 まずは検証の前提として、既存のv1.2.0を完全に再現できるか確認したところ、月利152.7%、DD(ドローダウン=資産の山からの下落率)-10.0%、PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)1.45という結果で、基盤の安定性は問題ありませんでした。
検証結果:地域分散による品質の低下
結論から言うと、指数を世界に広げる試みは逆効果でした。各指数の品質を比較したのが以下の表です。
| 指数グループ | PF | 月利(DD10%換算) | MC(合格率) |
|---|---|---|---|
| 米3指数のみ | 5.38 | 1.16% | 92% |
| 米3 + JP225 | 3.12 | 1.07% | 90% |
| 世界6指数 | 2.27 | 0.92% | 88% |
| 米3指数がPF 5.38と圧倒的な品質を誇るのに対し、非米指数(DE40、JP225、UK100)は個々の品質が低く、これらを混ぜることで全体のPFは2.27まで低下してしまいました。相関が0.76から0.34へと改善したメリットよりも、質の低い部品を組み込んだことによる損失のほうが大きく、MC(モンテカルロ合格率=日次リターンを再標本化してプロップ合格確率を推定した値)も92%から88%へと悪化しています。 |
なぜシステムDDは改善しなかったのか
検証を進める中で、システム全体のDDの正体は「Core(核となるトレンド)とSat2(トレンド執行の精緻化)」の相関0.54にあることが分かりました。一方で、指数の相関は0.10と低く、実はボトルネックではありませんでした。 つまり、指数スリーブを地域分散してもシステム全体のDDは緩まず、むしろ質の低い非米指数を足した分だけ成績が希釈されるという結果です。予算の再配分を試みても、月利は0.87%〜0.92%の範囲に収まり、既存のv1.2.0が持つ1.16%という壁を超えることはできませんでした。
結論
今回の検証で、v1.2.0は現在の資産運用のフロンティア(効率的な組み合わせの限界点)にあることがはっきりしました。月利をさらに押し上げるには、核となるトレンドと真に無相関な情報源が必要ですが、それは価格以外のデータ(カレンダーや金利差など)に頼らざるを得ず、プロップファームの制限下にあるこのEAでは参照できません。 価格データのみを使用する現状の範囲内では、米3指数を採用したv1.2.0(月利約0.68%複利、DD-10%、MC92%)が最善であると判断し、システム構成の変更は行わないことにしました。非米指数の採用は見送りです。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。