ゴールデンクロスの逆張りに優位性はなかった

却下手法 · 1 min

「ゴールデンクロスが出たから、もう上がりすぎだろう。そろそろ下がるはずだ」という逆張りの考え方は、FXをしていると一度は頭をよぎるものです。今回は、この「ゴールデンクロス+上昇転換」という強気なシグナルをあえて逆張り(フェード)で狙う手法が、実際に優位性(エッジ)を持つのかを検証しました。

図: 逆張り(RSI)のシグナル例(EURUSD 日足・実データ)。RSIが売られすぎ圏に入った反発を狙います。

図: 逆張り(RSI)のシグナル例(EURUSD 日足・実データ)。RSIが売られすぎ圏に入った反発を狙います。

「ゴールデンクロスが出たから、もう上がりすぎだろう。そろそろ下がるはずだ」という逆張りの考え方は、FXをしていると一度は頭をよぎるものです。今回は、この「ゴールデンクロス+上昇転換」という強気なシグナルをあえて逆張り(フェード)で狙う手法が、実際に優位性(エッジ)を持つのかを検証しました。

検証した手法と結果

検証した手法は、短期SMAが長期SMAを上抜ける「ゴールデンクロス(GC)」と「ダウ構造の上昇転換」が重なったタイミングでショート(売り)を仕掛けるというものです。これに対し、同じシグナルで順張り(ロング)をする手法と対比させました。

手法前進検証結果備考
fade 50/200-8.9%1〜6期中1期のみプラス
fade +TP2-1.1%3〜6期
fade 20/100-15.4%1〜6期
follow 20/100+5.2%4〜6期でPF1.2〜1.3
結果は、逆張り(fade)はどの設定でも前進検証でマイナスとなり、優位性がないことが分かりました。唯一、順張り(follow)の20/100設定だけがプラスになりましたが、これも6期中4期しか達成できておらず、決定的な強さはありません。

なぜ「逆張り」はうまくいかないのか

「明白な強気サインは、実はダマシなのではないか」という仮説を立てましたが、データを見る限り、このシグナルはダマシではなく、むしろ「弱い順張りシグナル」として機能していました。 つまり、強気なサインが出ているときに逆らうことは、新しいトレンドの発生と、相場全体が上昇しやすい性質(上昇ドリフト)の両方から追い打ちをかけられることになり、二重の逆風を受けていたのです。

コストが戦略を左右する理由

「負けている戦略を逆にすれば勝てるのでは?」と考えることはよくあります。しかし、コスト(スプレッドや手数料)を考慮すると、現実はそう甘くありません。 コストを無視した計算(gross)では、逆張りと順張りはほぼ鏡のような関係になります。しかし、実際にコスト(net)を差し引くと、両方向ともに利益が削られます。

  • 50/200設定:コストを引くと利益がほぼゼロになり、反転させても勝てません。
  • 20/100設定:コストを引いてもプラスが残りますが、これは既存の弱いトレンドを拾っているに過ぎません。 ここから得られる教訓は、「負けている戦略を反転して勝てるのは、その負けが本物の逆優位性から来ているときだけ」ということです。コストで負けている戦略は、方向を反転させたところで、結局はコストの壁に阻まれて負けてしまいます。 今回の検証で、逆張りには頑健な優位性がないことが改めて確認できました。この手法は恒久資産として保存しますが、システムへの採用は見送ります。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。