
『最近の相場で勝つ設定』を追いかけると何が起きるか
直近の相場環境に合わせたロジックの探索と、目標とする月利の現実的なライン、そして特定の通貨ペアに特化したシステムの効果について検証しました。
直近の相場環境に合わせたロジックの探索と、目標とする月利の現実的なライン、そして特定の通貨ペアに特化したシステムの効果について検証しました。
直近の相場に適したロジックの傾向
2017年から2023年のデータで学習し、2024年から2026年の期間で評価したところ、今の相場(レジーム)では「金(XAUUSD)のロング」と「円クロス通貨のロング」が圧倒的に強い結果となりました。 金はプラス38.5%、PF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)は2.19を記録しています。一方で、その他のUSD系ペアは全滅状態です。今の相場は「金高・円安」という特定の流れに支えられているといえます。
月利4%という目標の現実
FXの自動売買において「月利4%、DD(ドローダウン=資産の山からの下落率。登山でいう下りに転じた幅)10%以内」を達成できるか検証しましたが、結論から言うと、これは現実的に不可能です。 4つの手法で試しましたが、いずれも壁にぶつかりました。
- レバレッジを上げると、ボラドラッグ(ボラティリティによる資産の目減り)の影響で効率が悪化し、月利が思うように伸びない。
- 複数のペアを組み合わせても、DDが20%を超えてしまう。
- どの手法も、リスクとリターンのバランスを示す指標であるカルマーレシオ(年率リターン÷最大ドローダウン)の天井に達しており、これ以上はシステムを捏造するしかありません。
ペアごとに戦略を分けるシステムの実力
一律のロジックで運用するよりも、ペアごとに最適な手法(アーキタイプ)を割り当てる「per-pair特化システム」の方が、明確に高いパフォーマンスを示しました。 検証の結果、9つのペア(金、CADJPY、US100、US30はATRcandle longなど)を組み合わせ、リスクを0.0025(資金の0.25%)に設定したところ、以下の数値が出ました。
| 指標 | per-pair特化システム | Core v1.3 |
|---|---|---|
| 月利 | +1.78% | +0.7% |
| DD | -7.8% | -9.0% |
| Sharpe(リスク調整後リターン) | 2.46 | - |
| MC(合格率) | 97% | - |
| 運用コストやリスクを抑えつつ、主力であるCore v1.3の約2.5倍の月利を達成できています。ただし、このシステムは「現レジームに攻めて乗る」ためのものです。円高や金安に転じれば崩れるため、安定性を重視するならCore v1.3を主軸にし、この特化システムを第2の選択肢として使い分けるのが賢明です。 |
金単体での運用について
「金だけに集中して運用するのはどうか」という質問をよくいただきますが、推奨はしません。 金単体の高いPFは、2024年以降の急騰による影響が大きいためです。2015年から2024年のクリーンなデータで計算し直すと、PFは1.26、月利0.66%、DDは-18.5%まで悪化します。DDを10%以内に収めようとすると月利は0.4%まで低下し、Coreシステムやper-pairシステムに劣る結果となります。 金は分散投資の中の一つの成分として活用するからこそ輝くものであり、単体での運用は、急騰への過度な依存や分散効果の喪失を招くため避けるべきです。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。