
株式市場の信号でFXのリスクを下げる新しい軸
株価指数をFXの取引シグナルとして活用する試みを始めてみました。これまでFXのトレンドを追うとき、FX自身のデータだけを見てきましたが、今回は「US500(S&P500)の地合い」をフィルタとして導入したんです。
株価指数をFXの取引シグナルとして活用する試みを始めてみました。これまでFXのトレンドを追うとき、FX自身のデータだけを見てきましたが、今回は「US500(S&P500)の地合い」をフィルタとして導入したんです。 具体的には、US500が移動平均線(SMA)より上にあるときはリスクオン(市場が強気)、下にあるときはリスクオフ(市場が弱気)と判断し、FXのトレンドに乗る際のレバレッジを調整します。仮説としては「FXが大きなドローダウン(資産の山からどれだけ下落したかを示す数値)に陥る局面は、株式のリスクオフと連動しているのではないか」と考えました。株式は先行指標になり得るというわけです。
株式フィルタによる改善効果
FXのトレンド核単独で動かしていたロジックにこの株式フィルタを組み合わせたところ、カルマーレシオ(年率収益率÷最大ドローダウン。数値が高いほど効率が良い)が0.22から0.31へ改善しました。最大ドローダウンもマイナス44%からマイナス25%まで抑えられています。 特に2015年や2018年のような苦しい時期のドローダウンが軽減されました。ただし、株安と円安が同時に進んだ2022年は、この仕組みが裏目に出てしまい、パフォーマンスが犠牲になる結果となりました。 注目すべきは、以前から導入しているvol-target(直近の価格変動の大きさに応じてロットを調整する仕組み)と組み合わせても、さらに改善が見られた点です。vol-targetは「過去のボラティリティ」という遅行指標を見ているのに対し、株式フィルタは「先行指標」として機能しているため、お互いの弱点を補い合っているようです。
システム全体への適用とv1.4.0への昇格
この仕組みを、現在運用しているCore v1.3.1全体に組み込んでみました。その結果は以下の通りです。
| 指標 | 適用前 | 適用後 |
|---|---|---|
| ドローダウン | -9.5% | -7.9% |
| PF(プロフィットファクター) | 1.57 | 1.63 |
| カルマーレシオ | 1.02 | 1.14 |
| MC(モンテカルロ合格率=日次リターンを再標本化してプロップ合格確率を推定した値)は据え置きです。この改善分を再レバレッジ(リスクを調整し直すこと)に回すと、ドローダウンを適用前と同じマイナス9.7%の水準に収めつつ、月利を0.79%から0.85%へと約7.6%引き上げることができました。これをもって、新バージョンであるv1.4.0とします。 | ||
| 今回の検証で、FXの価格データという「閉じた世界」の中だけで最適解を探すのには限界があったと実感しました。価格データ以外の「別アセットの情報」という未使用の軸を取り入れたことで、壁を一つ突破できた感覚があります。 | ||
| 以前、別トラックの検証として資産配分を試みた際はうまくいきませんでしたが、今回はインターマーケット(市場間)の相関がうまく機能しました。レジーム検知によるレバレッジ調整や、異なる時間軸の活用など、まだ試すべき手法は残されています。引き続き探索を続けていきます。 |
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。