フィルタを重ねるほど月利が下がるという現実

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フィルタを強くして、トレード回数が減ってもいいから勝率やPF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)を上げたい。そんな理想を掲げて、EAのフィルタをあれこれ組み合わせる検証をしてみました。

フィルタを強くして、トレード回数が減ってもいいから勝率やPF(プロフィットファクター=総利益÷総損失。1を超えると黒字)を上げたい。そんな理想を掲げて、EAのフィルタをあれこれ組み合わせる検証をしてみました。 結論から言うと「フィルタを重ねれば重ねるほど成績が良くなる」というのは幻想で、2つ程度の組み合わせが限界。本物と言えるフィルタは「HTF(日足のトレンド方向にのみ順張りする)」だけでした。

フィルタを重ねるほど月利が下がった

検証では、既存のブレイクアウト手法にHTF、ADX、RSI、SMA傾き、ER、レベル判定といったフィルタを単独、あるいは組み合わせてテストしました。IS(最適化に使った期間)とOOS(未来のデータに見立てた期間)の両方で厳しく審査しています。 結果をまとめたのが以下の比較表です。

構成OOS PF勝率トレード回数
基準(フィルタなし)1.3937%基準
HTF(日足トレンド一致)1.4838%約50%減
HTF + SMA傾き1.4938%約50%減
ADX単体1.27--
フィルタ6種全部盛り1.38--
見ての通り、ADXのようなフィルタは入れると成績が悪化する「毒」にしかなりません。また、3つ以上のフィルタを重ねると効果が頭打ちになるか、むしろ悪化します。トレンドフォローという手法の性質上、構造的に勝率は大きく動かず、改善の余地があるのはPFくらいということも再確認できました。

HTF版システムで品質トレードオフを測る

唯一、効果が認められたHTFを組み込んだ実システム(v1.4.0)を作成し、どれだけ「質」が変わるのかを測定しました。

  • PF:1.61 → 1.69
  • MC合格率(プロップファンド等の合格確率):94% → 95%
  • 最大DD(資産の山からの下落率):-8.3% → -8.1%
  • 月利:0.77% → 0.74% 数値を見ると、DDが減り、PFや合格率が向上しています。しかし、月利はわずかに下がりました。これは「リターンを少し削って、安定感(品質)を買っている」状態です。登山でいえば、険しい直登ルートを避けて、少し遠回りでも安全な平坦ルートを選ぶようなものですね。

結論:安全重視ならアリ、効率重視なら現行版

今回の検証で、フィルタ重ね掛けによる改善は「タダの上積み」ではないことが分かりました。リターンと引き換えにPFやDDの安定性を買う、いわゆる「品質トレードオフ」の関係です。 このHTF版は、継続的な出金を最優先して、できるだけドローダウンを抑えたいという運用には適しています。一方で、多少のリスクをとってでも高いリターンを狙いたい場合は、現行のv1.4.0の方が適しているでしょう。 勝率はトレンドフォローの仕組み上、これ以上上げることは困難です。ADXをはじめとする過剰なフィルタリングは逆効果であることも確定したため、これ以上の継ぎ足しは行わず、この「高品質・安全寄り運用オプション」として記録を完了します。

この検証のつながり

この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。