
合格を遅らせていた真犯人は守りの仕組みだった
挑戦段(プロップファームのチャレンジ期間)におけるDD(ドローダウン=資産の山からどれだけ下落したか)ガードの緩和について検証しました。

図: ドローダウン=資産が最高値からどれだけ下がったか(例: XAUUSD)。この谷の深さがリスクの実感値です。
挑戦段(プロップファームのチャレンジ期間)におけるDD(ドローダウン=資産の山からどれだけ下落したか)ガードの緩和について検証しました。 プロップの挑戦段では、失格になっても参加費(12,500円)が没収されるだけで済みます。それなら、運用段のような厳しい防御を少し緩めて、合格までのスピードを上げたほうがトータルの時間効率が良いのではないか、という仮説に基づき、7つのパターンで比較テストを行いました。
検証結果
構成Dの分布を用いて2万回試行した際の結果です。
| 変種 | 失格経験% | 合格中央日 | 合格1年% | 出金中央日 | 期待参加費 |
|---|---|---|---|---|---|
| A 現行(動的k/cap2.5+フラット) | 1.6 | 113 | 81.1 | 139 | ¥12,704 |
| B フラット無し(動的k2.5) | 12.4 | 110 | 82.9 | 137 | ¥14,291 |
| C 静的k2.5+フラット維持 | 16.1 | 98 | 93.7 | 122 | ¥14,964 |
| D 静的k2.5+フラット無し | 22.2 | 98 | 93.7 | 122 | ¥16,157 |
| E 動的k/cap3.0+フラット | 4.8 | 98 | 82.6 | 125 | ¥13,129 |
| F 静的k3.0+フラット無し | 35.8 | 82 | 96.0 | 105 | ¥19,750 |
| G 動的k2.5 kmin1.0 | 6.1 | 112 | 84.3 | 138 | ¥13,314 |
なぜ「静的k」が速いのか
検証を通じて、合格を遅らせていた主犯が判明しました。それは「フラットガード」ではなく、動的k(相場状況に合わせてレバレッジを自動調整する機能)による「床際デリスク(低速グラインド)」です。 動的kはDDを踏むと自動でリスクを下げますが、これが「死なないけれど、資産も増えない」という停滞期間を生み出し、合格までにかかる時間を押し上げていました。挑戦段であれば、少々のリスクを取ってでも早く合格を目指す「fail-fast(失敗するなら早くして、次へ行く)」戦略のほうが、時間期待値で圧倒的に有利です。 一方で、フラットガード(一定の損失で停止する機能)を外しても合格までの時間はほとんど変わりません(AとBの比較で113日→110日)。しかし、これを残すことで失格率を大きく抑えられます。つまり、「外すべきは低速グラインドを招く動的kであり、残すべきはフラットガード」という結論になります。
結論:変種Cの採用
検証の結果、最もバランスが良いのは**変種C(挑戦段のみ静的k2.5+フラットガード維持)**でした。 合格までの期間が中央値で113日から98日に短縮され、1年以内の合格率も81.1%から93.7%まで向上します。相場が荒れた際のストレス環境下でも、この優位性はさらに顕著です。 ただし、注意点もあります。失格経験が約16%(ストレス環境下では約27%)に増えるため、6回に1回はやり直しになる可能性があるという点です。これを「必要経費」として許容できるかどうかが判断の分かれ目となります。 なお、運用段(資金が出金可能なステージ)については、実資金を守るため現行の動的kをそのまま維持します。実装はEAのプリセット設定を変更するだけで完了するため、現在走行中の口座に途中適用するか、あるいは次回の口座から適用するかは、ご自身の判断にお任せします。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。