研究272 不祥事レベル別の暴落後戻り率(イベントスタディ・観測専用) = 戻りは不祥事の重さに単調(L1>L2>L3=事前登録どおり)だがn不足で非有意・急落の主因は決算(55%)でその戻りは最弱クラス・最も戻るのはセクター起因とL1軽度不祥事

平均回帰 · 1 min

ユーザー明示指示による価格外データ(決算日・ニュース由来ラベル)の観測研究。不変ルール

1. 仮説とねらい

逆張り・平均回帰系の仮説を検証した記録です。短期の極端な押し目だけが頑健なエッジになり得ます。

この検証で確かめたい出発点は次の通りです。

ユーザー明示指示による価格外データ(決算日・ニュース由来ラベル)の観測研究。不変ルール 「売買判断はOHLCVのみ」は維持=売買ルール変更の提案はしない(PITニュースフィード不在のため ルール化しても検証不能)。同日にstock-systemへ観測専用の急落コンテキスト機能を実装済み (stocklive/context.pypython -m stocklive.why。データ源=NASDAQ決算日/Yahooニュース/SPY)。

2. 検証の設計(どう組んだか)

いきなり走らせる前に、後知恵や偽エッジが入り込まないよう検証の枠組みを先に固めます。

項目内容
検証期間2010-01 , 2026-04 , 2025-05
くぐらせた関門コスト耐性

この枠組みで、下のステップを順番にくぐらせていきます(どこかで落ちれば不採用)。

3. 検証の手順(ステップ・バイ・ステップ)

ステップ1: 検証ステップ

まず、イベント=r1≤-15%かつSPY同日≥-2%(個別急落)+流動性/サニティゲート+同一銘柄20営業日dedupe。 広域2,492銘柄(data/cache/wide_yahoo)2010-01〜2026-04で3,388件検出。分析母集団=知名度担保の ADV≥$150M 865件。決算日突合(Yahoo visualization 1999〜2025-05+NASDAQ直近4Q)で55%=決算起因を 機械分類、残り389件をLLM並列8エージェント(WebSearch裏取り・不確実はunknown)でラベル。 不祥事レベル: L1=軽度(空売りレポート/訴訟/リコール) L2=重度(会計疑義/当局本格調査/CEO解任級) L3=存続級(粉飾確定/破綻懸念)。

ステップ2: コスト耐性の確認

次に、hg16様式トレード(急落当日引け買い→SMA5回復or10営業日・コスト抜き)のバケット別: 不祥事L1 n=11: PF4.89/平均+7.97%/勝率82%・rec20中央=急落幅の49%回復 不祥事L2 n=13: PF1.06/+0.47%/62%・rec20中央16% / 不祥事L3 n=1(PCG破綻懸念): -61.9% 決算 n=503: PF1.21/+0.61%/52% / セクター/マクロ n=131: PF2.80/+5.96%/73% 業績(非決算日) n=111: PF1.44/+1.35% / 製品/治験 n=23: PF1.04 / その他 n=51: PF0.79 ブートストラップ: 重度不祥事(L2/L3)vs決算のmadj20差-0.7pt [95%CI -12.3,+11.0] = 非有意

ステップ3: ユニバース探索(候補の洗い出し)

続いて、VERDICT: 観測知見として採用(売買ルール変更なし)。(1)戻り率は不祥事レベルに単調減少 (L1 49%>L2 16%>L3 -99%)=事前登録の期待どおりだがn=11/13/1で統計的有意性なし。 (2)-15%級の個別急落の主因は決算(55%)で、その平均回帰は最弱クラス。最も戻るのは セクター起因の巻き込まれ安とL1軽度不祥事(空売りレポート等の一時パニック)。 (3)L3が1件しか観測できないこと自体が生存者バイアスの実証(粉飾で上場廃止した銘柄は 現役ユニバースに不在)=「重度不祥事は買うな」の実効的な下振れはこの表より深い。

ステップ4: イン/アウトサンプル評価

さらに、開いている道: ①PITニュース/決算フィードを導入すればL1買い・決算回避フィルタのIS/OOS検証が 可能になる(現状は事後ラベルのためルール化不可) ②moomoo OpenD APIのget_search_news/ get_earnings_calendarをVPSのpreclose注記へ追加(OpenD接続中なら追加コストほぼゼロ) ③stock-systemのwhy CLIで今後のイベントを前向きに蓄積し、数年後にPITラベル付きで再検証 ④ラベルのLLM依存(hallucination/後知恵)の交差検証=別モデル・複数エージェント多数決。

用語と検証手法

この記事で出てくる主な用語です。

  • PF(プロフィットファクター): 総利益÷総損失。1.0超で純利益、値が大きいほど効率的です。

図: 週次急落の月曜引け買いの実例(META 日足・実データ)。1週間で大きく下げた銘柄を週明けの引けで買い、5日SMA回復で売ります。

図: 週次急落の月曜引け買いの実例(META 日足・実データ)。1週間で大きく下げた銘柄を週明けの引けで買い、5日SMA回復で売ります。