
研究294 GOLD(tc_gold)再検証と検証基盤の再監査 = フォワード1勝7敗(-6.5R)はBT分布の14.2%点=統計的異常なし・エッジ故障の証拠なし。較正コスト下のtc_goldは通期PF1.08/月利+0.055%のほぼゼロエッジ(利益は2024-26金ブルに全集中)で構成Eの除外を価格エッジ面からも追認。ゴールデン照合=8エントリー中6件が独立データで一致・不一致2件は閾値際のフィード差・EA挙動はガード込みで100%スペック整合。基盤監査は全PASS
背景: Fintokei STEP1(6048935)のXAUUSD確定損-120,173円(8決済1勝7敗・全てtc_gold, magic 14100000/14100001)が確定損益の最大マイナス要因。
1. 仮説とねらい
前進検証やコストで却下された手法の記録です。偽エッジ(過剰最適化・データ品質・後知恵)を避けるための監査証跡として残します。
この検証で確かめたい出発点は次の通りです。
背景: Fintokei STEP1(6048935)のXAUUSD確定損-120,173円(8決済1勝7敗・全てtc_gold, magic 14100000/14100001)が確定損益の最大マイナス要因。うち-18,012円(8/7 23時台=構成E適用時の手動決済とみられる)はdeals CSVに欠損で残高突合(
reconcile_balance)から復元。
2. 検証の設計(どう組んだか)
いきなり走らせる前に、後知恵や偽エッジが入り込まないよう検証の枠組みを先に固めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象銘柄 | 金(XAUUSD) |
| 時間軸 | M1 / H1 / H4 / D1 |
| 検証期間 | 2015-2026 , 2015-22 , 2022-24 , 2024-26 , 2026-06 |
| くぐらせた関門 | パラメータ頑健性 → M1日中リスク → コスト耐性 |
この枠組みで、下のステップを順番にくぐらせていきます(どこかで落ちれば不採用)。
3. 検証の手順(ステップ・バイ・ステップ)
ステップ1: パラメータ頑健性の確認
まず、Phase A(BT分布, 較正コスト・EA同一パラメータ・2015-2026.05, n=1451): 勝率28.8%/PF1.08/月利+0.055%/DD-10.46%。観測-6.53R(8取引)の生起確率=BT実歴8取引窓の14.2%点・iidブートストラップ10.89%・34暦日窓の23.5%点=正常な負け筋。期間分解: 2015-22 PF0.90/2022-24 PF0.95/2024-26.06 PF1.75=通期プラスは金ブル期集中。研究176当時(既定コスト)のPF1.45→較正コスト(研究274)でPF1.08=薄化はコスト実測の帰結でフォワードで壊れたのではない。
ステップ2: M1日中リスクの検証
次に、Phase B(ゴールデン照合, Dukascopy M1で2026-06〜08を再構成+Axioryスプライス): 8エントリー中6件がリプレイと完全一致(7/7・7/21・7/30 H1/H4・8/7 H1/H4)。不一致2件(7/6, 7/24)は big/nearHi 閾値の2-3%以内の際どいバーでフィード差により判定が割れたもの(EA自身のDBGログ値はルールを正しく満たす=ロジック欠陥なし)。
ステップ3: 検証ステップ
続いて、EA判定ログ横断(GOLD DBG): シグナル成立(pos=0)22件=「ENTRY 8件」+「合計建玉リスク上限2.50%ガード見送り14件」で100%説明。見送り14件中8/4-8/6の11件は金上昇局面(4128→4362)=ガードが勝ちトレード候補を検閲し8/7の天井掴みだけが通った(執行の経路依存でエッジと無関係)。リプレイ側の追加シグナルも全て「ガード/保有中/無効化後/配備前」で整合。
ステップ4: コスト耐性の確認
さらに、Phase C(基盤監査): 研究278ハーネス11/11 PASS再確認・test_cost_model 13本+test_geometry 14本 PASS・run_checks全PASS。金コスト較正の実測照合: comm $3.01/lot/側(実測950円RT=$2.95/側)✓・スワップ較正値と実測-2,137円整合✓。新発見の非保守バイアス: SL約定滑り平均0.23$/oz≒23pips(1取引リスクの約1%・BTはslippage=0)。
ステップ5: 検証ステップ
加えて、運用確認: InpEnableGold=falseは8/7 23:59のEA再起動から有効(以後GOLD DBG消滅=tc_gold新規建て不能)。TJL金(D1)は構成E設計どおり継続。
ステップ6: 検証ステップ
そのうえで、テレメトリ完全性の穴(2件・要対処): (a)7/3 20:31-23:57の確定損-86,841円がdeals/equity CSVとも記録外(telemetry配備前。equity CSVは7/10開始のためreconcileも不可視) (b)8/7 23時台の手動決済dealがdeals CSVに欠損(TeleWriteDealsは全履歴書き直しなのに欠ける=magicフィルタ外の決済の可能性)。
ステップ7: コスト耐性の確認
そして、VERDICT: tc_gold除外(構成E)は妥当・再有効化の根拠なし。フォワード損失は「薄いエッジ×正常分散」で完全に説明され、検証基盤・EA実装・コスト較正のいずれにも故障なし。
ステップ8: M1日中リスクの検証
続いて、開いている道: (1)deals欠損の根本対策=EA側でmagic外・手動決済を含むbalance operationログ追加 (2)reconcile_balanceをHEARTBEAT残高(日次ログ)へ拡張し7/3系の穴も検知可能に (3)SL滑り23pipsのBrokerConfig反映(gold slippage_pips≒23)の全スリーブ影響測定 (4)残存金経路(tjl/sat2/cal)はdecayハーネス(研究289)が自動監視中=蓄積待ち。
4. 結果のまとめ(主要指標)
検証で得られた代表的な数値です(同一記事内に複数条件がある場合は代表値)。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 月利 | +0.055% |
| 最大DD | -10.46% |
| PF | 1.08 |
用語と検証手法
この記事で出てくる主な用語です。
- M1日中検証: 日足では見えない保有中の含み益の吐き出しを分足(M1)で再構築し、プロップの日次-5%/最大-10%抵触を検出します。日足評価だけだと日中の失格を見逃します。
- PF(プロフィットファクター): 総利益÷総損失。1.0超で純利益、値が大きいほど効率的です。
- ドローダウン(DD): 資産の山からの最大下落率。プロップの最大-10%等の制約に直結する最重要リスク指標です。
- ロジックと優位性(エッジ): 「ロジック」は売買ルールそのもの(仕組み)。「優位性(エッジ)」はそのロジックが持つ“勝てる性質”(コストや偶然を超えたプラスの期待値)。ロジックは無数にありますが、本物の優位性を持つものはごく一部です。
この検証のつながり
この検証は、過去の次の検証を踏まえています(前回ダメだった→今回こうした、別ロジックとの比較など)。